【原点を振り返りながらの創作活動】

事務所の書棚にサイズが大きく、BOXに入った古い書籍があります。

30年以上も前に新宿の「紀ノ国屋書店」で購入した【ポール・ルドルフ・建築透視図】です。当時、学生としては大変な出費であり、6時間を要する帰郷の車中で、うれしくてしげしげとページをめくったのを思いだします。

ルドルフと言えば、コルビュジェとライトの空間をプラスして等分した空?と当時言われ、国際的に知名度の高い建築家でした。

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 まだCADのない時代に模型を使わずに、1点を固定し線で光と影を表現する透視図は、空間構成が把握しやすく大変よい教科書としてスタデイさせていただきました。

特に【エール大学】の透視図は視点の角度が絶妙であり、時間の経過・天空光の移動と共に内部空間が移りゆく情景がよくわかります。
現在でもパワーポイントに取り込み、何かと話の中で紹介させて頂いてます。

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 ようやく環境サイドからの視点で、建築行為をとらえる思考になりつつありますが、30年前のルドルフの建築には自然環境に対してパッシブ的な手法が、大変上手にデザインされ組込まれています。

フレクサラム・プリーズソレイユ等、目新しい手法ではありませんが、風土を的確に読み取った堅実な「かたち」が時代性を加味しながら継承されています。

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 最近のメディア誌をみれば、ガラス張り上部へ取り付けたルーバー状の庇、バルコニー等のデザインが目につきますが、
流行でなく【自然界から生まれた必然的な形態】として現代の技法を取り入れながら、持続されればと思います。

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 皇居の近くに45年も前に林昌二先生が手掛けられた【PSビル】がありますが、バルコニーのデザイン等が
そのあたりを的確にデザインされ現在でも新鮮であり、メンテフリーの外壁も含め、
次世代まで持続される【名作】かと思います。

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 そう思いつつ近代建築をふり返りながら、印象に残っている【匠の建築家】のスタディを、仕事の合い間に始めました。
今はあまり見なくなったトレーシング・ペーパーにスケッチしていると、基本的なデザイン・ソースがすごく新鮮に感じられるのです。

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 私共の時代には無かった良きデザインブックが書店に並ぶ時代ですが、今更ながら自分の無学を自覚しつつ
学生の皆さんが愛読されるデザインブックの上にトレーシング・ペーパーを重ね、スケッチを楽しんでています。

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