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修景事業を継続してきた南信州「昼神温泉郷」に、今年度は「足湯」が完成しました。
山並みと阿智川に視線が向けられ、この様な翼を広げた形状をしています。
右奥に見えるのが機械室です
今日は近くの清内路の方々が大勢出かけられ、初めての足浴を行いました。
柱・梁・タル木・ベンチ類は、全て南信州産材のヒノキ材で組み上げました。>
これは付属している機械室の内部です。
湯沸かしボイラー、熱交換機、濾過器と温泉施設と同じ機器類が詰まっています。
温泉は、丸太材をくり貫いた「手湯」に貯められ、足湯に落ちていきます。
真ん中の方は、「足湯」と「手湯」の同時入浴です。
あたたかな春の日差しの中、新緑も芽吹き、大変のどかな風景です。
夜は、仲良し二人組に人気があるみたいです。
どうぞお出かけ下さいませ。
2009.04.29 | Trackback(0) | 未分類
南信州泰阜村は、在宅福祉に力を注いだ福祉先進自治体として全国的に知られていますが、スウェーデンにおける「高齢者共同組合」をモデルに昨年から一年掛かりで企画立案してきましたが、今回着工いたしました。
理事長の本田先生を中心に自分達の老後を自分達の手で、共同生活の中で行なうとする方々の集団であり全国初の試みでもあります。
6月の下旬、地祭りが行われました。初夏の中、暑くなる事を想定し、グレー系の上下で出席した所、私1人が白色系で、皆さんはやはり紺か黒系で目立ってしまいました。
厳粛な雰囲気での地鎮祭の風景。
配置も決まり丁張りが掛りいよいよ着工です。
スラブの打設が終わり、床暖用の断熱材が入りました。
本体の基礎コンクリート打が終了し、土台敷が始まりました。
枝付きの桧丸太材を今回も山林から調達して来ました。
二番玉をレッカーで吊り上げ、枝付で運び込む大変厄介な仕事です。

登り梁に使用する赤松の丸太材を、全て手加工しています。
プレカットと違い、軸組図のみで加工してしまう手腕に毎回驚き、
出きるものなら一緒に刻みに参加したい気持ちです。

丁寧にサンダーを掛けて仕上がりました。
赤松の板目が本当に美しく思わず見入ってしまいます。

土台敷も終わり、いよいよ柱が立ち始めました。
約300本の南信州産材の桧の柱が立上りました。
木構造の一番感動感激するシーンでもあります。

今回は「里山の共同住宅」という趣旨もあり、赤松の丸太材をふんだんに使用しています。
架構が全て伝統工法であり、プレカット法と違い組み上げにも熟練技を要します。

上棟時には、熟練技の方達が集まり、一本一本入念に組み上げています。
伝統木造の醍醐味、奥深さをひしひしと感じされられます。

井桁状に組んだ丸太梁は杉板張天井下にアラワシ、玄関ホール天井に力強表現されています。
このままの状態で置いておきたい気持ちです。


野地板が張られ、100分の1のムクリ屋根と箕甲屋根の形状が表れてきました。
軒高も低く、軒先の深い里山の「和」をイメージした形態です。
2008.12.27 | Trackback(0) | 現場情報
先日、「公共建築賞」の受賞式に、東京の麹町迄いってきました。「公共建築賞」とは2年に1度、3年以上経過した建築物を対称に選考するもので、「箱もの」と言われがちな公共建築の運用形態までも審査するものです。
1次審査で全国9ブロックに分けられますが、長野県は東京・神奈川・埼玉・千葉等9県内に入り1番の激戦地でもあります。当日の会場には30点の応募作品が並べられ、メディアに載っている物,他の受賞作、著名事務所の作品ばかりでしたが、内容的には大差がないように感じられました。
6点が優秀賞として選出されましたが、審査委員長は私共の「通年合宿施設」に対し「信州の木造建築によるオーガニック・ガウディー調」と評され、関東圏で1番高得点との評価があり,大変驚き感激した次第です。
南信州の地域差材により組上げ、自然エネルギーにより居住性を追及し、極めて手造り的でありローテックな施設がそれなりの評価を受けたのでしょうか? <詳細・建築ジャーナル2008/1参照>
地球温暖化という言葉を耳にしない日は無いわけですが、この建築界だけは1番無縁で遠距離的、メディアに載る事が目標…全てとは言いませんがそんな建築物があふれている様に感じられます。
膨大なランニングコストのかかる都心部の巨大なガラス建築・商業建築の昼間からの過度照明等地方でCO2の還元にと山林の保全に取り組み、照明機器一つ慎重に選択しても、都心部の建築の前には余りにも無力です。今後中国・インド・ドバイしかり同じ様な建築が続々と生み出され、温暖化に益々拍車がかかる事でしょう
南信州にて設計活動を行い、古民家を壊し再生し先人の残した創造物から学ぶ事は、風土に対してごく自然体に構え素直に受け入れる姿です。四季の移ろい・光・熱・風の摂取と遮断・・・・余りにも当たり前の手法の中にも現時代なりの創意工夫はあるわけで、 そんな手法を模索したいと思っています。自然エネルギーをいかに有効活用するかが現代の主題であり、それにより平断面・ファサードの形は決定されるべきです.(高層建築こそ光・風のダクト・オープン階等、工夫されるべき)
水と緑に恵まれ独自の「木の文化」を継承してきた日本・・・もう一度「生態系の中の創造物」という視点で建築を考えられないかと思っています。天然木は不燃加工出来、今や一番のエコ建材なのです。 Uターンして20余年、都会コンプレックスから脱却し地域の持つ次世代への大きな意義を強く感じる様になりました。美しい南信州を継承しエコロジカルな生活様式・地域創りの為、行動して行きたいと思っています。
2008.09.22 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類
南信州産のヒノキ・マツ・スギ材にいる「2世帯のすまい」が完成間近になってきました。
今回のおすまいは玄関は共用ですが、キッチン・浴室等、世帯毎にセットされた全くの「2世帯同居」のすまいです。2階部は屋根構造なりの縦方向の空間構成が自由ですが、1階の縦方向の空間構成が限定され熟考するところです。
地産地消の如く、地域で入手できる良質な「ヒノキ」材をふんだんに使用し、地元の優良工務店さんにより組みあげています。年代的にも30代後半から熟年層の方を対象としたあきのこないデザインとなっています。
土間コンクリート下の捨コン打ちと、砕石敷きが終わった状態です。
土間コンクリート打設前の配筋完了した状態で、保温巻きした給水・給湯管が見えます。
現場に持ち込まれた加工済みの木材です。
手加工とプレカットが混在しています。梁成の大きのは2階の床梁で、地場産の赤松です。
2階の桁材です。地域産材の良質なヒノキ材を使用します。
腰板、野地板に使う地域産の杉板材です。節の無い上質の杉材を入れてもらいました。
好天にも恵まれ、待ちどうしかった「上棟式」です。
二世帯の大きなすまいなので、上棟にも大勢の方が参加します。
上棟時屋根工事風景です。
屋根材は粘土瓦ですが、断熱と遮音の為高密度フォームポリスチレンボードを充填しています。
一階居間の木工事です。
高天井部、ヒノキ床梁のアラワシと外部空間との一体化を計る三本引戸が特徴です。
2階子供室前の床からの木製手摺です。細かなルーバーが繊細な陰影を生じています。

2階居間部が組み上がった状態です。小さな切妻面の棟の納めに工夫を凝らしてあります。
2階子供室ロフト部です。
天井部の野地板、登り梁は杉材、柱・梁・造作材は全て地場産のヒノキ材です。
耐震性と工期短縮を考慮し、ラスカットパネルを張り上げています。
こんな黒シックイの伝統工法の家が少し前迄残されていました。
2008.08.29 | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類
信州は群馬県と共にかつて養蚕業が盛況でしたが、南信州はその中でも有数の養蚕生産地域でした。 飯田市座光寺地区には、明治期の養蚕盛況時に建てられた古民家と、江戸からの本棟造の古民家が約40棟残存しています。座光寺地区は農振地区に指定されている為、緑豊かな耕作地が拡がり、程よい間合いで「古民家」が美しく点在しています。
今回再生工事を行う本棟造の「T邸」は残された鬼瓦に「文化8年・1811年」と記され、約200年前の建築物と推定されます。

元来江戸期に「本棟造」を建築できたのは一部の特権階級であり、今更ながら「T邸」の格式の高さを感じさせられます。 玄関を入って左側二室が奥行き三室間、開放的に並び、右側が土間空間というのが、本棟造の一般的な建築時の姿です。
江戸後期から南信州に引継がれる本棟造は、南面の床付和室部と、北面の土間部の軒高が、低く押さえられ中央の和室の階高が高い断面形状によりゆるやかな3寸強の屋根勾配を構成し、大変美しいプロポーションを構成しています。

「T邸」は現在迄大きな模様替えも無く水廻りが数年前にD・K形式に改修された位で、5間の「牛梁」も残され、本棟造本来の美しさを現在迄伝承しています。
信州は明治期から昭和初期迄、養蚕業が盛況であり養蚕業を賄う為の建築的な影響を「T邸」にも見る事が出来ます。
内部の建具を取り払った状態です。1階だけで70坪近い本棟造の巨大さ、柱と建具のみで区画されていた生活空間がよくわかります。
貴重な箱階段も残されています。上手に手を入れ、機能的に活用したいと思います。
大黒柱を介して田の字型に巨大な梁と差し鴨居が組まれています。一番民家らしさを感じるアングルです。
200年前の竹組による天井・各和室の左官仕上げによる隔壁で大変丁寧な仕事です。
南信州では養蚕業が明治初期に始まり、大正期にはピークを迎えます。「T邸」の土間下には、レンガ造による桑の貯蔵庫が残されていました。
タタミ下から出て来た「炭こたつ」跡です。金属製の筒は炭を入れた物でしょうか?
床の大引・根太を全て取り払いました。床下は乾燥状態も良く問題有りません。
基礎の床掘りをした状態です。土台は現行基準法に合わせ、GLより上げてあります。
大黒柱の周囲です。田の字型平面に合わせ、基礎補強を行います。
枠組足場によって梁を支えています。建物全体の傾き、レベル等を修復しながら、土台を一通りづつ入れていきます。 大変根気と労力のいる仕事です。
土台・柱の加工は全て現場での手作業になります。全て南信州産のヒノキ材を仕様しています。
2008.06.29 | Comments(0) | Trackback(0) | 現場情報
Author:pikacha
信州に暮らす建築士の語り